糖質のこと

妊娠糖尿病でもおやつOK?血糖値を上げにくい低糖質スイーツ&食後の運動法

「妊娠糖尿病になっても、おやつが食べたい!」
そんな気持ちを持つ妊婦さんは多いのではないでしょうか。

妊娠中はホルモンの影響で血糖値が上がりやすくなりますが、工夫次第で“罪悪感のないおやつ時間”を楽しむことができます。

この記事では、妊娠糖尿病中でも安心して食べられる低糖質スイーツの選び方と、血糖値を安定させる食後の運動について、やさしく解説します。

1. 妊娠糖尿病とは?

妊娠糖尿病とは、妊娠中に血糖値が基準より高くなる状態のことです。
妊娠中に分泌されるホルモンがインスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを弱めるため、誰にでも起こり得ます。

発症する妊婦さんは全体の約10%とも言われ、特別なことではありません
ただし、血糖値をしっかりコントロールしないと、以下のようなリスクが高まる可能性があります。

  • 赤ちゃんが大きくなりすぎる(巨大児)
  • 出産時の合併症リスク
  • 母体の高血圧や浮腫
  • 将来的な糖尿病リスクの上昇

だからこそ、「食べ方」と「運動」の工夫で、無理なく血糖コントロールを続けることが大切です。

2. 妊娠糖尿病でも“おやつ”はOK?

結論から言えば、食べ方を工夫すればおやつはOKです。
むしろ、間食をうまく使うことで、空腹時の血糖値の乱高下を防ぐこともできます。

ただし、ポイントは以下の3つです。

  • 糖質の少ないおやつを選ぶ
  • 食べる量とタイミングを意識する
  • 食後に体を動かす

この3つを意識するだけで、血糖値を安定させながら満足感を得ることができます。

3. 妊娠糖尿病中におすすめの低糖質スイーツ

① ナッツ・アーモンド

糖質が少なく、ビタミンEやマグネシウムも豊富。
1日20〜25g(手のひら1杯)を目安に、間食代わりに取り入れましょう。

② 無糖ヨーグルト+フルーツ少量

ヨーグルトは発酵食品で腸内環境を整え、血糖値上昇をゆるやかにします。
甘みが欲しいときは、キウイやベリー類を少量トッピング。
バナナやマンゴーは糖質が高めなので控えめに。

③ 低糖質プリン・チーズケーキ

最近はコンビニでも「糖質オフ」や「低糖質スイーツ」が増えています。
糖質10g以下のものを選べば、血糖値の急上昇を抑えながら満足感も◎。

④ 高カカオチョコレート

カカオ70%以上のチョコレートは低GIで、抗酸化作用も期待できます。
1〜2枚程度で抑えるのがコツです。

⑤ 手作りスイーツ(ラカント・豆乳・おから活用)

市販の甘味料「ラカント」「エリスリトール」は、血糖値をほとんど上げません。
豆乳やおからパウダーを使えば、たんぱく質・食物繊維もプラスできます。

▶ 例:おからクッキー/豆乳プリン/ヨーグルトムース など

4. 血糖値を上げにくくする食べ方の工夫

① 食後すぐのデザートは避ける

食後すぐに甘いものを食べると、血糖値が急上昇します。
食後1〜2時間ほど空けてから、間食として取り入れましょう。

② ゆっくり噛んで食べる

噛む回数が増えると満腹中枢が刺激され、少量でも満足感が得られます。
一口ずつ、味わいながらゆっくり食べることが大切です。

③ 飲み物にも注意

意外と見落としがちなのが飲み物。
ジュースや加糖カフェラテは糖質が多いので、水・炭酸水・麦茶・無糖紅茶を選びましょう。

5. 食後の“軽い運動”が血糖コントロールのカギ

食後は血糖値が最も上がりやすいタイミング。
そんなときに軽い運動を取り入れることで、体内の糖が筋肉に取り込まれ、血糖値の上昇を抑えることができます。

おすすめの運動

  • 食後10〜15分のウォーキング
  • 室内での足踏み・スクワット軽め
  • 買い物ついでに一駅分歩く

妊娠中は激しい運動はNGですが、ゆっくり呼吸しながら体を動かす程度なら安全。
無理をせず、体調と相談しながら続けましょう。

6. 妊娠糖尿病中のおやつで気をつけたいポイント

  • 「糖質ゼロ」でも脂質やカロリーが高いものに注意
  • 夜遅くの間食は避ける(血糖値が下がりにくい)
  • 体調が悪い日は無理せずおやつもお休み
  • 医師や栄養士の指導内容を最優先に

おやつを我慢しすぎるとストレスが溜まり、反動で食べすぎることも。
“がまん”より“上手に選ぶ”を意識することが続けるコツです。

7. まとめ:我慢しない、でも上手にコントロールする

妊娠糖尿病中でも、上手に工夫すればおやつは楽しめます。
ポイントは、低糖質スイーツ+軽い運動

糖質を控えつつ、血糖値を安定させることで、ママにも赤ちゃんにも優しい体づくりができます。

「甘いもの=悪い」ではなく、
「体と相談しながら、ちょっとだけ楽しむ」。
そんな柔らかなバランスを意識して、心地よいマタニティライフを過ごしましょう。



参考・出典

  1. 妊娠糖尿病の母体および胎児への合併症として、帝王切開率の上昇や巨大児、早産、羊水過多などが報告されています。
    引用元:National Library of Medicine (PMC10023128)
  2. 妊娠糖尿病を経験した女性は、将来2型糖尿病を発症するリスクが約7倍に上昇すると報告されています。
    引用元:National Library of Medicine (PMC10041873)
  3. 妊娠糖尿病既往の女性では、将来的な心血管疾患(CVD)リスクの上昇が確認されています。
    引用元:Cardiovascular Diabetology (2024)
  4. 血糖コントロールが不十分な場合には、早産・流産・巨大児などのリスクが高まることが指摘されています。
    引用元:National Center for Biotechnology Information (NCBI Bookshelf)